このままうたわせてよ!

SixTONESの田中樹くんを細々と応援しています

菊池風磨と3度目の夏

1年目の夏、彼は突然そこにいた。パンフレットには載っていなかったにも関わらず、だ。風磨くんから急遽連絡が来て出演が決まったらしい。一人だけ準備期間が短かったためか、踊っている最中にはときどき不安な顔を覗かせたものの、MCでは風磨くんの隣に堂々と座り、風磨くん以上に騒いでいた。できたばかりのユニットから一人だけ飛び出して、プライベートでも交流のある仲間たちと一緒に、夏を全力で楽しんでいた。風磨くんと一緒にいるときの彼の顔を初めて知った。
 
2年目の夏、彼は当然のようにそこにいた。1年目に出ていたメンバーは彼一人しかいなくて、だからなのかはわからないけど、風磨くんの両脇を支える位置にいた。SixTONESの一部メンバーが一緒に出ていても、風磨くんのライブに出ているときの彼は「SixTONESの田中樹」ではなく「風磨の友達」の顔をする。その顔が見れるこの季節が好きになった。風磨くんは、彼が風磨くんに「どんな形でも、お前と一緒にステージに立ちたい」と言ったことを教えてくれた。入所日は1週間違いで、友達で、でも先にデビューしていった風磨くんのコンサートのバックに彼がつくことを、風磨くん自身は気にしていたようだったけど、彼にとっては自分のプライドよりも風磨くんと同じステージに立つことの方がよっぽど大事なんだと思った。
 
3年目の夏、案の定彼はそこにいた。これまでの夏と決定的に違ったのは、彼がSixTONESのメンバー全員と一緒にここに戻ってきたことだった。「SixTONESの田中樹」の顔のまま、風磨くんのステージに立っていた。無意識のうちにそうなっていたのかもしれないし、そうしたほうがいいと思って意識的にそうしたのかもしれない。それとももしかしたら、「SixTONESの田中樹」が彼自身に深く染みついて取れなくなったせいなのかもしれない。大事な仲間たちと一緒に大事な友達のステージに立つ。ステージ上が彼の好きなものだらけだった。
 
3年目の夏が終わるとき、彼は風磨くんに「後悔はないか?最高の夏になったか?」と手紙で聞いた。風磨くんの夏が、後悔のない、最高の夏になることを願いながらステージに立っていたんだろうなと思った。
風磨くんは、彼から「俺にステージを与えてくれてありがとう」なんて言葉を引き出してみせた。風磨くんの夏にいる彼はいつもまぶしくて仕方がない。私の大好きなアイドルが、菊池風磨と友達でよかった。